当館より徒歩5分、滞在中のお散歩にぴったりな「千年公園」をご紹介します。
自然と地域の伝承が息づく、緑豊かな公園です。
宿を左手に坂道を進み、左手に見えてくる鳥居をくぐった先に見えてくるのは「岩崎八幡神社」。
凛とした杉木立に囲まれた社殿が静かに佇み、足を踏み入れた瞬間から、空気がふっと澄んでいくのを感じます。
平安時代後期に勃発した「後三年の合戦」で源義家が敵陣に攻める前に立ち寄り、馬の鐙を奉納して戦勝祈願したという言い伝えが残されています。
この鐙は「鐙八幡」と呼ばれ、岩崎八幡神社の御神宝として受け継がれてきました。
神社を進み、緩やかな石段をのぼった先には「千年公園」。
丘の上からは、地域の発展を支えた雄大な皆瀬川やお隣十文字町一帯、そして盆地ならではの連なる山々を望むことができます。
かつて岩崎城があったこの土地は、城なき後も地元の人々に愛され、藤の名所として多くの人々で賑わいました。規模を広げるため、初代湯沢市長である伊藤仁右衛門氏が私財を投じて整備したのが今の千年公園の姿です。
初夏の訪れとともに、園内の藤棚からは淡い紫や白の花房が。
この藤は、名所として知られたかつての姿をもう一度取り戻そうと、地元の方々の手で大切に復活させたもの。
花の美しさの奥に、土地に生きる人々の想いが感じられます。
そして、公園の一角に安置されている「鹿島様」。
およそ4メートルもの巨大なわら人形で、古来より村を守る存在として祀られてきました。
春と秋には「鹿島まつり」が行われ、地元の方々が材料となる稲藁と初穂を持ち寄り、手作業で新しい衣を着せ、家内安全・無病息災を願う祈りが捧げられます。
歴史があり、祈りがあり、そして豊かな自然がある。
現代に生きる私たちにとっても、心を立ち返らせてくれるようなこの場所。
当館にご宿泊の際は、ぜひ足を運んでみてくださいね。
岩崎八幡神社・千年公園
〒012-0801 秋田県湯沢市岩崎千年195