秋田県横手市で開催される「横手送り盆まつり」
屋形舟をぶつけ合う大迫力の「屋形舟繰り出し」をはじめ、市民盆踊りや花火の打ち上げなど、先祖の霊を送るための様々な催しが行われます。
送り盆まつりの歴史
江戸時代中頃以降、この地域で度々起こった大飢饉。特に享保・天明・天保の頃の惨状は甚だしかったと伝えられています。
横手の送り盆まつりは、飢饉による飢えや疫病で命を落とした多くの人々の霊を弔うため、約300年前から始まった行事です。
町民たちが屋形舟を作り、柳を添え枝に法名を書いた短冊を下げ、蛇の崎川原に繰り出して御霊を供養したのが始まりと伝えられています。
◆ ねむり流し(8月6日)
「ねむり流し」とは、七夕行事のひとつ。秋の収穫前に労働の妨げとなる睡魔を追い払うため、人形などの形代に睡魔を委ねて祓え流す「眠り流し」という習慣があり、これがさまざまな祭りになって発展しました。
横手のねむり流しは、送り盆行事の1週間前に行われる子どもたちのお祭り。
市内のあちらこちらから鐘や太鼓、笛の囃子と掛け声と共に、屋形舟繰り出しに使用される舟よりもひとまわり小さな小舟を引いて、川原に集合します。
◆ 市民盆おどり(8月15日 19:00〜)
市役所前広場では、約500人が輪になって踊る市民盆踊りが開催されます。
先祖の霊を供養する意味を持つ盆踊り。太鼓と音頭にあわせて老若男女が踊り継ぐ姿に、町の温もりと一体感がにじみ出ます。
◆ 屋形舟繰り出し・協賛花火(毎年8月16日 18:30〜)
約40人の地元若衆が重さ約700kg、長さ約7.5mにもわたる巨大な舟を担ぎ、サイサイ囃子とともに蛇の崎川原に結集します。
川原での供養を終えた後、屋形舟は蛇の崎橋の上へ移動。協賛花火が打ち上がる中で舟と舟のぶつけ合いが繰り広げられ、祭りはクライマックスを迎えます。
横手送り盆まつり
会場:蛇の崎橋・川原/横手市役所前広場
最寄駅:JR横手駅より徒歩15分
「草木ももとせ」からのアクセス:車で約25分